介護業界で働く時には、さまざまな人の介護をしていくことになります。介護する方の多くは、障害を持った人や体の機能が低下してきたお年寄りにありますが、中には認知症の方の介護をすることもあります。しかし、認知症患者は、脳の認知機能が低下して、進行すると物忘れがひどくなるので、その介護は容易ではありません。しかも、体の機能も低下している場合は、身体介護と併せて、記憶力の補佐も必要になるのです。
認知症介護では、要介護者が病気の治療で薬を服用している場合は、薬の飲み忘れが度々起こることがあります。そのため、服薬を本人任せにしていると、飲み忘れてしまい、病気の治療に影響してしまいます。したがって、薬の服用の時間がきたら、一緒に確認しながらきちんと決められた量を飲んでいるのかを確認する必要があります。認知症が軽度の場合は、本人がある程度自分のことは自分でできる状況にあるため、声かけ程度のフォローでも問題ないかもしれませんが、認知症は次第に進行してくる病気なので、小まめに要介護者の様子を観察しておく必要があるでしょう。
それから、認知症を患っているだけでなく、身体機能も衰えている要介護者の場合は、身体介助も必要になります。ですから、一般的な高齢者の介護よりも、介護士はより神経や体力を使うことになるでしょう。したがって、集中力が途切れないようにしなければなりません。そして、仕事上で悩みや辛さを感じたら、一人で抱え込まないようにしましょう。介護士の心の不安は要介護者にも伝わってしまうので、辛いときは周りの先輩や仲間に相談してください。